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独学でも公認会計士試験に合格できる?独学のメリットと勉強法を解説

2023.03.31
コラム

公認会計士は、一定の基準を満たす企業に義務付けられた「監査」を行える唯一の国家資格であり、会計・税務を専門分野とする職種です。

国家資格と聞くと、「試験難易度が高く、かつ受験資格の基準も厳しい」というイメージを抱く方も多いでしょう。お金に関する知識が必要な公認会計士においてはさらなるハードルの高さを想像する方も多くいますが、実は公認会計士試験に受験資格は問われません。

ここで気になるのが、「独学でも公認会計士資格を取得できるのか」という点です。当記事では、公認会計士資格を独学で取得できるかどうかに加えて、試験合格率や勉強のコツなどを徹底解説します。

1.公認会計士は独学でも受験できる?

いずれの資格においても、国家資格を取得する際は資格試験の合格が必須です。そして、資格試験を受験するためには、大学や養成施設での必須カリキュラムの修了や実務経験が条件となるケースも一般的となっています。しかし、公認会計士試験は受験資格が問われません。つまり、学歴や年齢、学習方法を問わず誰もが受験できるということです。

公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階に分けられています。短答式試験は毎年12月と5月の年2回実施される、マークシート方式の筆記試験です。1回でも短答式試験に合格すれば、次の段階である論文式試験にチャレンジできます。

論文式試験は年1回、8月に実施される論述式の筆記試験であり、短答式試験で出題された試験科目に「租税法」と選択科目の2科目が加わります。論文式試験が不合格だった場合でも、以降2年間(翌年・翌々年)は申請により短答式試験は免除可能です。なお、論文式試験においても科目合格制が導入されており、試験内一部科目で相当の成績が認められた際は、以降2年間、その科目のみを免除できます。

出典:日本公認会計士協会「公認会計士試験について」

1-1.公認会計士試験の合格率

令和4年公認会計士試験の合格率は7.7%と低く、資格難易度の高さが伺えます。

出典:金融庁「令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について」

公認会計士試験は受験資格が定められていないため、独学でのチャレンジも当然可能です。しかし、難易度の高さから通信講座や予備校に通って受験する人が多く、独学で試験合格を目指すのは非常に難しいと言っても過言ではありません。

通信講座や予備校では、プロが選定したカリキュラムや教材を用いて整った学習環境で試験対策ができるため、自己管理能力や忍耐力に自信がないという方にはおすすめの学習方法です。

2.公認会計士を独学で目指すメリット

公認会計士資格の難易度は高いものの、独学で資格取得を目指すことにはいくつかメリットもあります。

実際に、独学で公認会計士資格を取得できた人も少なからず存在します。通信講座や予備校の利用には費用が発生するため、自習時間をしっかり確保でき、かつ自己管理能力にも自信があるという場合は、独学で目指すことも検討してみてはいかがでしょうか。

ここからは、独学で公認会計士資格の取得を目指すメリットを2つ紹介します。

2-1.学習費用を抑えられる

独学で公認会計士資格の取得を目指すことの最大のメリットが、学習費用を大幅に抑えられるという点です。

通信講座や予備校に通うとなれば、必ず受講費用がかかります。受講費用は受講先によってもばらつきが見られるものの、30万~80万円程度が平均値と言えるでしょう。

一方で、独学であればかかる費用はテキスト・参考書代のみとなっています。受験対策に特化したテキスト代であれば、1冊あたり1,200~3,000円程度で購入することが可能です。このように、学習費用が少額で済むという点は、学生や社会人になりたての方にとって大きな魅力と言えるでしょう。

2-2.自分のペースで勉強ができる

独学で公認会計士資格の取得を目指すことの次のメリットが、自分のペースで勉強ができるという点です。

公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間は、人によっても異なるものの基本的に3,000時間以上と言われています。短答式試験や論文式試験で不合格となった際は、さらに必要な勉強時間が伸びていきます。

予備校に通って公認会計士試験に向けた勉強を行う場合、通学の時間もしっかり確保しなければなりません。忙しい学生や社会人にとっては、往復の通学時間が痛手となることもあるでしょう。

しかし、独学であれば自分のペースで勉強できます。寝る前・通学中・通勤中など空いた時間を有効に活用しながら学習できるため、きっちりとした学習時間をとることが難しい方にとっては大きな魅力となるでしょう。

3.独学で公認会計士の勉強をするコツ

独学で公認会計士試験に合格するためには、勉強方法にやや工夫を凝らす必要があります。基本的な独学勉強法・コツは、下記の通りです。

  • 最新のテキストを使用する
  • モチベーションを管理する
  • 勉強スケジュールを決める

ここからは、それぞれのコツについてより詳しく解説します。

3-1.最新のテキストを使用する

企業法・租税法・金融商品取引法など、公認会計士試験に絡む法律は頻繁に法改正が行われます。そのため、試験対策に使用する市販テキストや試験問題集は最新のものを購入しましょう。

また、最新テキストを使用している場合でも、勉強を始めてから試験を受けるまでに法改正が行われる可能性がある点に注意してください。

法改正が行われた箇所においては公認会計士試験においてもある程度考慮されますが、例えば2年前の短答式試験に合格していたものの古い法律知識からアップデートできていなかった場合、新たな法律について含まれた論文式試験に対応できなくなるといった状況もあり得ます。

そのため、公認会計士試験向けテキストや試験範囲だけを頼りにせず、あらゆる方面から情報収集をして正確な法律知識にアップデートしておくことも重要です。

3-2.モチベーションを管理する

独学で公認会計士試験の合格を目指すなら、モチベーション管理は非常に重要です。

通信講座や予備校は、きっちりとした学習時間をとらなければならない反面、自己管理能力が多少なくてもしっかりと勉強できるという有利な面もあります。しかし、独学であれば勉強時間をつくるかどうかは自身の勉強スタイルやモチベーションに大きく左右されるため、常に高い意欲をもっておかなければなりません。

モチベーションを維持するためには、小さな目標から大きな目標まで、細かく目標を定めることが大切です。また、目標の達成状況が分かるよう、学習プロセスをきちんと記録し、評価まで行うことも有効と言えるでしょう。

3-3.勉強スケジュールを決める

独学での試験勉強において、最も注意しておかなければならないことが「勉強スケジュールの狂い」です。独学は自身のモチベーションによって学習状況が左右されやすく、ついだらだらと勉強をしてしまい、試験当日までに必要な知識を詰め込めきれなかったというケースは多々あります。

そのため、独学で公認会計士資格の取得を目指すなら、あらかじめ勉強スケジュールを立てることが必須です。スケジュールは、1日~1週間の短期・2週間~1か月の中期・3か月の長期ごとに立てるとよいでしょう。具体的な科目を当てはめてスケジュールを立てる際は、科目ごとに必要となる勉強時間の時間配分を誤らないように注意してください。

4.公認会計士になるためには実務経験が必要

公認会計士試験の受験そのものに条件は定められていないものの、短答式試験・論文式試験合格者なら誰もが公認会計士資格を取得できるというわけではありません。そのため、結論として公認会計士試験は独学でも受験できるものの、独学のみでの公認会計士資格取得は不可能と言えるでしょう。

公認会計士として登録するためには、短答式試験と論文式試験の合格だけでなく、2年以上の実務経験(業務補助・実務従事)が必要です。業務補助は公認会計士や監査法人が行う監査の補助業務のことで、実務従事は財務に関する監査や分析実務への従事を指します。

この実務経験を積む期間は、短答式試験と論文式試験の合格前後は不問です。公認会計士資格の取得を目指しており、かつ実務経験がまだないという方は、実務経験を積むことのできる職場を探すとよいでしょう。

まとめ

公認会計士試験に受験資格は定められておらず、学歴や年齢、学習方法を問わず誰もが受験できます。公認会計士試験は難易度が高いため、通信講座や予備校で勉強をしながら試験を受ける人が多いものの、独学合格者も少なからず存在します。

独学で公認会計士試験への合格を目指すなら、モチベーション管理が最も重要です。また、公認会計士を取り巻く法律は頻繁に改正が実施されるため、最新のテキストも十分に揃えておきましょう。

公認会計士として登録するためには、試験合格だけでなく2年以上の実務経験も求められます。最短ルートは、公認会計士としての実務経験を積める企業で働きながら、資格取得を目指すという方法です。ここまでの内容を参考に、ぜひ公認会計士資格の取得を目指して勉強・職場選びを始めてみてはいかがでしょうか。

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